モズのテリトリー
　パーキングの横は細長い公園になっていた。　それは、琵琶湖さざなみ街道と琵琶湖との間の緩衝地帯のような役割を果たしているのだろう。

　真中に遊歩道が通っていて、それを挟むように湖岸側と、街道側が緑地帯になっている。　その緑地帯は、幅は狭いが灌木もあり、葦や草原 くさはら が広がっていて、目の前には大きな琵琶湖の風景がせまり、歩いているだけでもなかなか気持ちがよい。

　それにチョウや小鳥の気配がするからなおさらだ。　そこらじゅうにモズがいた。　彼らが、このように密集しているところを見たのは初めてである。

　気分的には、10m 間隔ほどでしかなかった。　いずれにしても、この時期の彼らのテリトリーはそれほど広くはないということになる。

初見の思い
　・・・ そんなことを考えながらも ・・・ 季節がらだろうが、やけにチョウの姿も多いことに気がつくのだった。　まぁ、モンシロチョウやキチョウなどが多々目に入るだけで、とくに気が注がれるほどでもなかった。

　ただ、このコムラサキだけは違った。　ただ一匹だけでいたし、そこらのチョウより少し大きくて色も黒っぽく ・・・ 要するに気がそそられたということになる。

　残念ながら翅を閉じているところしか見なかった。　というより、飛び去るところも目にしているのだが ・・・ 表翅の色や模様のことなど一切記憶がない。

　cf. チョウの数え方

　ただ、そのときはツマグロヒョウモンかも知れないと思っていて、初見のコムラサキとは知らなかったのだ。

　それに、国蝶のオオムラサキなら ・・・ 姿は見たことはないが ・・・ 名前だけは知っている。　しかし、このコムラサキについては、その存在すら知らなかった。

　そうと知っていれば、もっと追っかければよかった。　証拠写真には撮れなくても、その姿を目に焼き付けることは出来たかも知れないのだ。

　ただ、このコムラサキは、オオムラサキと違って、生息範囲も広く、珍しくも何ともないらしいのだが ・・・ それは見た人がいうことであろう。　それは、要らぬお世話というものだ。

琵琶湖さざなみ街道
　瀬田の唐橋から湖北に至る琵琶湖東岸沿いに走る道路のことで、湖岸道路とか湖周道路などとも呼ばれている。　琵琶湖がすぐ横に見えて、走っていて気持ちが良い。

★名前の由来
　コムラサキは、オオムラサキよりは小形だが、よく似た蝶という意味であろう。　光の加減で紫色に光る。